短納期対応、プレス製品をマシニングセンターで切削加工
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材 質:
C1020-1/2H
サイズ:
90×70×3mm
精 度:
±0.05
個 数:
200個
納 期:
1ヶ月
ポイント
- プレス型と比べ短納期
- 仕上げ時間の削減
- 加工治具の製作
- コスト削減
内容
今回は量産が確定している案件の、プレス型が出来るまでの試作でした。
最も厚い部分の板厚が3mmで、一番薄い部分の板厚が1mmという、本来であればプレス工程で潰しをいれなくてはならない形状の場所が5箇所もありました。
納期が1ヶ月に200個納品で、3ヶ月継続という短いスパンでしたので、ユーザーとお打合せを実施して、ワイヤー放電加工と機械加工(マシニングセンター)の提案をさせて頂き、スタートしました。
加工を始めていくとマシニングセンターの加工後の反りや、バリの多さが目立ちました。また、ワイヤー放電加工機で幅1mmと狭い箇所を加工していたのですが、このままですと、1ヶ月で200個の生産には到底間に合わず、ワイヤー放電加工機で加工している狭い箇所をマシニングセンターでの一貫加工に切り替える事としました。
まず始めに、数に対応できる事と、安定した精度を確保出来る事を目的とした治具を製作しました。この治具を製作したことによって精度のばらつきが無くなった事と、1枚の治具で最大6個の加工が可能になり、時間短縮にもなりました。
次に加工後の反りやバリ等の対策や、幅1mmの狭い箇所は、負荷の方向を考えエンドミルの形状から見直をし、切削条件も切り込み量を減らし、送りを高速で送る、低切り込み高送り加工に切り替えました。それらの結果、材料や刃先に無理な負荷がかからなくなり、反りやバリも殆どなく仕上げる事ができました。
加工初期と比較すると、品質が向上したこと、1枚当たり30%の時間削減が可能となり、大幅なコストダウンを達成することが出来ました。


今回の事例は数年前の加工実績です。
短納期をクリアするにはどうしたら良いのか。難形状をクリアするにはどうしたら良いのか。 お客様からの要求が厳しいほど現場メンバーで意見を絞り出し解決していきます。 このような経験を重ねていく事で、会社としての技術力が磨かれていきます。
また当時は銅板のプレス部品や幅の狭い部品では、ワイヤー放電加工機を主力として加工を行っていたという経緯もありました。
現在では今回のような高回転マシニングセンターや、ファイバーレーザー加工機等の最新機種も備え、最善の加工方法を見つける事により、短納期でかつ、コストにもやさしいものづくりができるように日々精進しております。