切削による小型ケースの精密加工、5軸加工機を活用し隅Rを最小化
- 【タグ】
- 【加工技術】
- 【加工設備】

材 質:
A5052
サイズ:
40x40x41mm
精 度:
±0.05
個 数:
10個
納 期:
10日
ポイント
- ワンチャック加工で高精度を実現
- 斜め加工により隅Rを最小化
- 厚さ1㎜、深さ35㎜の薄壁加工
- ビビリの少ない綺麗な仕上がり
内容
アルミ製小型ケースの加工事例をご紹介します。
外側は何の変哲もないケースですが、内側は複雑な凹凸の形状となっております。
側面は厚さ1㎜の薄壁形状で、深さは35㎜、小さな窓の加工もあります。
3軸加工機であれば、Rの大きさなど図面通りに加工できない部分がありますが、今回は5軸加工機を活用することにより、ご希望通りの形状、寸法を実現しております。

内側の底面および側面に窓を含んだ複雑な形状があり、かつ、面を跨いだ位置関係にも公差が定義されておりました。
複数の面をワンチャックで加工することにより、公差をクリアしております。

底面、側面に凹凸があり、上からの加工だけでは様々な個所に隅Rが付いてしまいます。
そこで、斜めから、細い工具での加工を追加し、隅Rを小さくすることに成功しました。(上からの加工でR2のところ、斜めからの加工を追加することにより、R0.1~0.2となりました。)

ケースの側面は厚さ1㎜、深さ35mmの薄壁で四方を囲んだ形状です。
加工に使う工具は小径で突き出しが長くなるため、ビビりの発生が懸念されましたが、加工条件を工夫することにより、綺麗に仕上げることができました。
5軸加工機は柔軟性の高い工作機械ですが、何でもできる魔法の箱ではありません。 斜めから加工をすれば、3軸の加工では生じない様々な現象が起きます。顕在化した課題を一つずつ解決しながら、「加工時間の短縮」と「綺麗な仕上がり」の両立を追及しています。
当社は試作を中心とした少量多品種の加工をメインとしており、20万件を超える製作実績があります。これまで培った経験を活かし、常に最適な方法を考え、加工しております。
今回の事例で使用した5軸加工機は外段取りができるパレットを搭載しているので、24時間連続加工により、多数個の製作にも対応可能です。