仮想点からの公差±0.1、特殊治具の使用で高精度曲げ加工を実現
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材 質:
C1020-1/2H
板 厚:
1.5mm
サイズ:
14.2×40.3×100.8mm
精 度:
±0.1
個 数:
10個
納 期:
7日
ポイント
- 幅5×300mmのブランク形状
- 型レス曲げ加工
- 社内製作型でU字曲げ加工
- 稜線部のR0.3潰し加工
内容
今回のバスバーは、19箇所の曲げがあります。
完成品は手のひらに収まるサイズですが、ブランクは幅5mmに対して長さ300mmと細長い形状です。
レーザー加工では、切断時に材料に熱が加わり、反りや歪みが発生します。特に今回のような細長い形状ですと熱の逃げ場がなく、熱影響を受けやすいため、不向きです。
全体の公差が±0.1という事もあり、レーザー加工ではなくワイヤー放電加工でのブランクカットを選択した結果、歪みの少ない良質で高精度なブランクを製作することができました。

この曲げは標準型のみで加工しています。回数の多い曲げ加工は、曲げ1箇所のわずかな誤差が蓄積し、最後には大きなズレとなるため寸法が安定しません。
さらにこのバスバーの寸法は、仮想点を基準として設計されているため、容易に寸法の確認ができません。
当社では、特殊な治具を製作して曲げ加工を行うことで、寸法の確認がスムーズになり安定した加工が実現できました。

このU字形状は曲げ幅が狭く、市販の型では対応ができないため、専用の簡易金型を社内で製作し、加工しています。

製品使用時にコイルを巻きつけるため、エッジがたっていると傷をつけてしまいショートの原因となります。そのため、稜線部は全てR0.3で製作する必要がありました。
こちらは、機械部門にあるマシニングセンターで簡易金型を製作しプレスで成形したことで、型の構想からテスト加工、完成までを1週間で対応することができました。
今回の製品は展開長が300mm以上で、曲げが入り組んでいる形状でした。寸法が1箇所でも公差から外れると製品として成立しなくなりますので、大変神経を遣います。曲げが19箇所もあるため、1箇所ごとに寸法をチェックしながらの作業となると、かなりの時間が必要となります。
当社では、連続曲げのノウハウを活かし、特殊な治具を製作したことで、作業時間を短縮でき、納期と品質でお客様に満足をして頂くことができました。 多数回曲げや連続曲げなどでお困りの方は、是非当社までご相談ください。