φ0.54の極細形状、微細旋盤の活用で段差のない綺麗な仕上がり
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材 質:
SUS304
サイズ:
φ4×100mm
精 度:
±0.2
個 数:
20個
納 期:
10日
ポイント
- 角度44°の長いテーパー
- 先端部φ0.54の極細形状
- 表面の綺麗な仕上がり
内容
今回は、微細旋盤で製作したテーパー棒の事例をご紹介します。
この製品は、以前から継続的に製作のご依頼を頂いております。
製品の特徴は、径がφ4、全長が100mm、先端がφ0.54と極細で、先端から角度44°のテーパーが45mmのところまであります。先端部はシャープペンの芯φ0.5とほぼ同等の径です。
極めて細い旋盤加工品は、加工する際に製品自体が振れやすく、びれが生じて面が荒れ、寸法が安定しません。さらに、繋がった切粉が絡みついて製品を傷つけたり、変形させてしまうこともあるため、難易度の高い加工となります。
今回の製品は先端部が極細のため、従来はNC旋盤で3mmずつ細かく断続的に加工し、切粉の絡みやびれを抑止していました。しかし、この加工方法では、3mmごとに細かな段差ができてしまうので、段差を取り除くため、サンドペーパー等で仕上げる工程を追加しなくてはなりませんでした。
そこで着目したのが、微細旋盤での加工です。
医療や半導体向けの微細部品の製作が増えてきたことで、3年前に設備を導入しました。
微細旋盤は、低周波で刃物を振動させ切削中に空振り時間を設けることができるので、切粉を細かく分断してくれます。その特長を生かすことで、びれやキズ、変形といった問題を解消することができました。
また、テーパー部からストレート部までの加工を1回の工程で完成させるため、表面の粗さも綺麗になり、作業時間の短縮にも繋がりました。

シャープペンの芯φ0.5と同等の細さ
(φ0.54)

段差のない綺麗な切削面
今、加工している方法が適切なのか、もっと時間を短縮できないものか、常に探求心を持って加工をしております。今回の事例は、日々そのような心構えでいたことでの「気づき」が生んだ成功事例です。品質が向上し、納期も短縮できたため、お客様にはご満足いただくことができました。
微細部品の製作が徐々に増えておりますが、まだまだフル稼働ではないのが現状です。今回の材質はステンレスでの製作でしたが、銅やチタンの加工も得意としております。
◆64チタンの微細旋盤加工事例
極細旋盤部品の製作でお困りの際には、是非ご連絡下さい。