多工程を集約した型で納期短縮・コスト削減
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材 質:
C5210-1/2H(リン青銅)
板 厚:
0.3mm
サイズ:
30×9×8mm
精 度:
±0.03
個 数:
30個
納 期:
10日
ポイント
- 曲げや切り起こしの同時加工
- 加工精度±0.03の精密加工
- 3D-CADによる絞り形状のシミュレーション
- スプリングバックを考慮した簡易型の製作
内容
今回ご紹介する事例は、板金・プレス加工と機械加工のどちらも対応できる当社だからこそできた非常に難易度の高い製品です。難しい形状で、さらに公差が「±0.03」という頭を悩ませる内容でしたが、最新鋭の設備と熟練の技術で公差指示通りに完成させることができました。
角から丸への絞り加工が施されておりますが、型設計にはシミュレーションソフトを用いることで、大幅な納期短縮、コスト削減へつなげることができました。
簡易型の製作は高精度、工程の削減のためには必ず通る道です。その工程を早く、正確に製作できることが当社の強みであり、短納期対応の大きなポイントとなっています。

今回の製品は、形状が複雑なために曲げや切り起こし部が多く、1カ所ずつ加工をすると、型と工数が増え、コストも時間もかかります。そこで当社では、8カ所を同時加工できる型を製作しました。
工程を集約することで、曲げや絞り加工の時間を大幅に短縮することができました。

角から丸への絞りの形状にも納期短縮のための細かな特徴があります。
精度を維持したまま、この絞り形状を作るためには、何度もテストをし、結果を反映した型を作り直す必要があります。
しかし、当社ではシミュレーションソフトを用いることで、テストの回数を大幅に減らすことに成功しました。
これにより、納期短縮・コスト削減に大きく貢献しています。

スプリングバックを予測し、寸法への影響を最小限に抑える経験や技術もポイントとなります。今回の材質C5210(バネ用リン青銅)は、戻り量が多く、正確な予測が難しいとされています。しかし、当社では過去のデータを基に簡易金型を製作することで、問題なく高精度な製品を仕上げることができました。
加工要素が多くなるほど予測が難しく、この蓄積されたノウハウが重要になってきます。
今回の製品は型の形状や精度が大きなポイントになっています。自社内で複雑な型を切削で製作できることは、当社の大きな強みだと思います。
8カ所同時加工のように、一度に加工する箇所が増えると、型の掘り込みが複雑になります。当社では機械加工部門を隣接しているため、細かい加工上の相談を密に行うことができ、複雑な型の製作が可能です。
結果として、より良い製品をお客様にお届けできる体制となっています。
絞り型の設計にはシミュレーションソフトを使用しました。展開後に細かい修正は必要ですが、それでもテスト加工をする時間が大幅に削減できるので、お客様に好評をいただいております。
複雑な形状で多くの金型が必要な製品でも、工程を集約できる可能性があります。ご期待にお応えできるように最善を尽くしますので、是非、当社にご相談ください。