難削材64チタンの小径パイプ形状に高精度加工
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材 質:
64チタン(Ti-6Al-4V)
サイズ:
φ5×40mm
精 度:
±0.02
個 数:
5個
納 期:
10日
ポイント
- 64チタン(Ti-6Al-4V)の微細部品
- 最薄部肉厚0.15mmの3次元加工
- M1およびM1.4の小径タップ
- 内外径にH7公差、両端の同軸度0.01
内容
難削材、小径、高精度と難しい要素が三拍子揃った加工事例をご紹介します。
材料は難削材の一つである64チタン(Ti-6Al-4V)です。粘りがあり、切粉が絡みやすいため、加工の際は細心の注意を払う必要があります。
64チタンの加工事例については、こちらもご覧ください。
◆複合旋盤で難削材をラッパ筒形状に高精度加工
◆難削材64チタンの溝旋削や3Dミル加工
形状は内径φ2.8、外径φ5、長さ約40mmという小径のパイプとなっております。外周側面になだらかな曲線、タップ、溝などの加工があります。精度は内外径重要部にH7公差があり、両端の外径には同軸度0.01が指定されておりました。
小径に特化した複合旋盤を活用し、旋削加工とミル加工をワンチャックで行うことにより、難しい要素を全てクリアすることができました。

製品そのものが小さいので加工も細かくなります。
溝の最も狭い部分は幅0.2mmです。

外周になだらかな曲線があります。
内側の径は一定のため、部分的に薄く、最薄部は肉厚0.15mmしかありません。

外周にM1およびM1.4の加工があります。小径のため、ロールタップによる転造加工で対応しています。切粉の影響を考慮する必要が無い反面、下穴径の厳密な管理が求められます。
64チタンをはじめとする難削材の加工では工具選定と加工条件の設定が重要です。難削材に対応した工具が広く出回っておりますが、製品の形状により、臨機応変な判断が必要となります。これは、経験が物を言う領域です。さらに今回のような小径部品ですと、加工機械も普通の設備では対応が難しくなります。一例を挙げると、材料の位置を確認するタッチセンサが接触圧力の低い仕様、もしくは非接触タイプでないと加工の前に材料が変形してしまいます。
ちなみにチタンと言えば、医療機器部品で使われることが多い、64チタンのエリー材(Ti-6Al-4V ELI)も加工した経験があります。チタンの微細部品製作を検討されている方は経験豊富な当社に是非ご連絡ください。