YAGレーザー溶接で歪み最小限、ブランクの工夫とFR曲げで金型や治具不要

YAGレーザー溶接で歪み最小限、ブランクの工夫とFR曲げで金型や治具不要
  • 材 質:

    TJR-1(電熱用鉄クロム)

  • 板 厚:

    0.25mm

  • サイズ:

    60×50mm

  • 精 度:

    ±0.1

  • 個 数:

    5個

  • 納 期:

    7日

ポイント

  • 特殊材の加工
  • YAGレーザー溶接で歪みを抑えた仕上がり
  • FR曲げ(送り曲げ)で特殊形状の金型レス加工
  • 位置決め用爪により、溶接治具を製作せずコスト減

内容

今回ご紹介する事例はTJR-1(電熱用鉄クロム)という材料を御支給いただいて、薄板用のYAGレーザー溶接を施した製品です。初めてチャレンジした材質ですが、加工機や加工方法を検討し、製作しました。

板厚が0.25mmということで、Tig溶接では母材が溶けて形にならないと予想しておりました。そこで当社ではYAGレーザー溶接での加工を選択したことで、当初の懸念事項をクリアし、見た目にもキレイな仕上がりとなっています。

大きなR形状は、曲げRに合わせて専用金型の製作が必要となりますが、今回は納期とコストの関係で、型を製作せずに、FR曲げ(送り曲げ)で加工しています。

ブランク形状にも工夫をしています。
溶接する際に、位置決めをすることが難しい形状のため、本来は治具を製作し、加工します。
今回は、お客様に治具を使用せずに位置決めできる形状をご提案し加工することで、コストダウンに繋がりました。

YAGレーザー溶接は、深くかつ狭く局部加熱をするので、短時間で溶接でき、そのため歪みが出にくいとされています。溶接径が小さくなり、見た目がキレイなことも特徴的な点です。
歪みを極力抑えた加工をすることで、寸法の安定化を図ることができ、完成品も高い精度と品質を確保しています。

FR曲げ(送り曲げ)は細かいピッチで曲げを繰り返すことで、任意のR形状を作り出します。
写真の縞状に入った線が曲げの跡です。

専用の金型を製作せずに、標準型で対応できるので、より早く安価に仕上げることができます。

溶接の際の位置決めを簡素化するために、ブランク形状にも工夫をしています。接合部に切り欠き(相手部品には爪)をつくることで、治具を使用せずに固定しています。

担当者のコメント

今回はYAGレーザー溶接と蓄積されたノウハウがあったからこそ完成した製品だと自負しております。新しい技術と過去の経験を融合させて加工することは、当社の大きな強みでもあります。
他社で断られた案件や、難加工を含む案件がございましたら、ぜひ、ご相談ください。最善の工法をご提案いたします。

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