複雑な微細絞り加工、レーザー追加工で短納期対応

複雑な微細絞り加工、レーザー追加工で短納期対応
  • 材 質:

    SUS304

  • 板 厚:

    0.1mm

  • サイズ:

    9.2x2.4x2mm

  • 精 度:

    ±0.02

  • 個 数:

    30個

  • 納 期:

    14日

ポイント

  • 9×2.5mmの複雑な微細絞り加工
  • 全体が絞り形状
  • 高さ0.05mmのビード絞り
  • 板厚の4倍の深さの絞り
  • 絞り後のレーザー追加工

内容

今回はSUS304CSP、板厚0.1mmで全長が9mmの微細部品の加工事例をご紹介します。

板厚が薄く破れやすいうえに、材質がバネ材のためクラックの懸念もあり、とても難易度が高い加工でした。2週間で納入してほしいとのご要望でしたが、テスト加工も必要となるため、短納期での対応は難しい条件がそろっておりました。

製品が小さくなると、金型も小さくなるため、微細加工に対応できる設備が必要となります。
当社では、精密な加工に特化したマシニングセンターを保有しており、型の細部の形状も問題なく加工できます。金型は設計から加工まで社内で対応しており、検証した結果をすぐにフィードバックをすることができるため、難易度の高い製品でも高精度且つ短納期での対応が可能です。

この製品は、全体が絞り形状になっているため、工程や工順を間違えると形になりません。
上面部には角穴が開いており、ブランク時に穴を開けてしまうと、絞ったあとに変形してしまいます。そこで当社では、レーザー加工機で後加工することを選択し、変形なく仕上げました。
内容に応じた加工機、加工方法を選定することで、複雑な形状でも製作出来るのが当社の強みの一つでもあります。

高さ0.05mmのビート部には、厳しい公差指示がありました。ビード形状を絞るには金型が必要になりますが、通常のマシニングセンターでは小さすぎて加工ができません。
当社では、±3μmの精度で加工できる微細用マシニングセンターで金型を加工し、公差を満足することができました。

絞り部は最大0.4mmの高低差がありました。板厚0.1mmの4倍になるため切れやすく、細心の注意が必要となります。さらに、左右の平行度0.05の幾何公差や、側面の0.1mmの段曲げに±0.05の公差があり、全ての公差を満足することは非常に難しい製品でした。

上面部の角穴及び、両側面部の切欠きは曲げ後にレーザーでカットして仕上げました。曲げた後にカットすることで変形を防ぐことができます。しかし、この場合レーザー光が反対側まで貫通してしまうため、特殊な治具を製作し、片側ずつ切断しています。

担当者のコメント

当初はそれほど難しい製品とは思っておりませんでしたが、想像以上に複雑な工程設計が必要な形状でした。

側面部には切欠きがありましたが、今回は絞りによる変形を考慮し、レーザー追加工を選択しました。絞り後のレーザー加工は、型製作が不要で短納期対応が可能な反面、加工難易度が高く工夫が必要です。最適な工程を選択して加工したことで、型製作費の削減や納期の短縮にも繋がりました。精度の面でも安定し、お客様には大変ご満足頂けました。

こうした工程を考えられるのは、「幅広く対応できる設備」と「設備を使いこなせる作業者」「加工に対する沢山のノウハウ」があるからです。
小さくて難しいとお悩みの際には、是非一度、当社へご相談下さい。お問い合わせお待ちしております。

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