的確な工程設計と金型製作で800個の難曲げ加工

的確な工程設計と金型製作で800個の難曲げ加工
  • 材 質:

    C2680-H

  • 板 厚:

    0.25 mm

  • サイズ:

    φ4×15mm

  • 精 度:

    ±0.02~0.05

  • 個 数:

    800個

  • 納 期:

    2週間

ポイント

  • φ4の丸め曲げ加工(丸め加工)
  • 曲面部にある爪加工(隙間寸法0.15mm)
  • 潰しとビードの同時加工
  • 800個を2週間で製作

内容

丸め曲げやカシメという難しい形状に加え、筒部入口に潰し、曲面部にビードが4か所、さらに2本の爪が立ち上がっています。寸法公差±0.02~0.05の指示があり、完成させるうえで工程の順番や金型の形状が非常に重要な製品でした。

今回のような難しい形状ですと、大掛かりな金型が必要なイメージがあると思いますが、当社では、簡易金型でこのような難形状の加工にも対応することができます。簡易金型は、早く作れる分コストを抑えることができ、高精度な加工も行えます。
しかし、簡易金型で製作するには的確な工程設計と難曲げに対応できる加工技術が必要となります。
当社では、経験豊富な技術者が工程設計をしています。さらに、型の切削、研磨、焼き入れまで社内で行っているため、細かな調整や改良も素早く行うことが可能です。そのため、今回のような複雑で難易度が高い製品でも、800個を2週間で完成させることができます。

筒形状入口部0.2mmの潰しとビード形状は、平板の状態で同時に絞っています。潰しとビードは別々に絞ると2工程になり、絞る回数に応じて変形が蓄積し、全体の寸法に影響を及ぼします。そこで変形を少しでも減らすため、同時に絞る型を設計し製作しました。
絞り2工程を集約した型を製作すると時間がかかりますが、安定した精度を保ちつつ、トータルの加工時間も短縮することができました。

この部分に使用した型は、複雑な3次元形状のためマシニングセンターで製作しました。

爪の部分は最初に曲げておかないと、丸め曲げを行う際に干渉し潰れてしまいます。この懸念から型の設計時に、ハナ曲げの技法で対応しました。更に、爪の隙間が0.15mmと狭いため、成形していく過程で材料の伸びが隙間寸法に影響を及ぼすことも予想されました。
そこで、仕上げ用として2つの条件を満たす型を製作し、微調整をしたことで、爪部の隙間寸法や、平行を満足させることが出来ました。

今回の型は線径φ0.1のワイヤーで加工しています。当社では、φ0.1~0.3までの線径のワイヤーを製品(加工)によって使い分けています。

担当者のコメント

円筒状に絞りがあるため、丸め曲げでは真円を確保するのに苦労しました。何度かテストを繰り返し金型を改良したことで、寸法を満足させることが出来ました。

製作した簡易金型の幅は、0.15mmとシャープペンの芯より細いため、少しの力で折れてしまいます。 型から製品を取り出すときや、はめ込むときなど細心の注意を払いながら作業を行いました。

当社は板金、プレス部門に機械部門もあり、様々な形状の簡易金型を製作をすることができます。マシニングセンター、複合旋盤、NC旋盤、ワイヤー放電加工機などの設備がございますので、金型製作が必要な製品にも迅速に対応することが可能です。

複雑な形状でお困りの方は是非お問合せください。

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