厚さ0.5mmのフィン、無酸素銅の難形状高精度加工
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材 質:
C1020
サイズ:
10×50×120mm
精 度:
±0.02
個 数:
5個
納 期:
7日
ポイント
- 厚み0.5mmのフィン加工
- 残り板厚2mmの薄肉加工
- 銅の変形しやすい難形状の加工
内容
今回ご紹介するのは、マシニング加工で製作した銅製品の加工事例です。
円形にたくさん並んでいる薄い壁(フィン)は、厚みが0.5mmしかありません。
さらに、このフィンは表裏の両方にあり、彫り込んだ後の残りの板厚は2mmと肉が薄く、あまり負荷がかけられない形状でした。
銅は、熱伝導率が高いため加工で発生した摩擦熱が伝わりやすく、変形しやすいため、アルミやステンレスの加工に比べて寸法が出しにくい傾向があります。
今回のように掘り込み量が多い場合はより反りや歪みが出やすくなります。

厚み0.5mmのフィンは、高さが4mmあります。薄い壁は、加工中に振動してしまい、安定した加工ができません。円形に並んでいるので中心に向かって隙間が狭くなっていくため、使える工具の径も細くなります。
写真のようにキレイに仕上げるには、工具選定と加工条件のバランスが重要となります。

両側からのフィン加工は、残り板厚が薄く、振動が伝わりやすくなります。
そのため、2工程目(裏面の加工)では、フィン自体の振れに加え、板厚方向の振れにも配慮が必要となります。削り量が増えてくると反りなどの心配もでてくるため、削り方に工夫をして、変形を抑えています。
銅は、粘り気があるため意外と工具が摩耗しやすく、切粉が絡むことも珍しくありません。柔らかい材料なので、ちょっとしたことで傷がついてしまうことも多く、常に細心の注意を払って加工を行っています。
また、熱による変形は寸法公差に直接影響するため、反りや歪みを低減できる削り方を確立し、高精度品へも対応をしております。
銅の加工でお困りの際には、是非当社までご相談ください。