潰し加工を切削で対応、3Dモデルのみでの製作
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材 質:
C1020-1/2H
板 厚:
1.5mm
サイズ:
80 × 75 × 30mm
精 度:
±0.1
個 数:
2個
納 期:
7日
ポイント
- t1.5→t1.0の潰し加工を機械加工で対応
- 切削部の曲げ加工
- 立ち上がりの短い曲げ加工
- 3Dモデルのみで製作
内容
C1020-1/2Hで製作した銅端子の加工事例をご紹介いたします。
純銅ですが、ブランクはファイバーレーザーで切断しています。
先端には、部分的にt1.5からt1.0の潰し加工がありました。
今回は数量が少なかったため、お客様に了承を得て機械加工で対応しました。
当社では、機械加工部門を併設しているため、複合的な加工でもスピーディーに対応できます。
さらに、潰し部の途中には曲げがあり、板厚の段差が近いため、市販の標準型では曲げることができません。当社では、社内で製作した簡易型を用いて曲げ加工を行いました。
また、立ち上がりが短く、普通に曲げると肉がついてこない箇所がありましたが、こちらは、予め肉を足しておいて、曲げ後にカットすることで、変形なくきれいに仕上げています。

【t1.5→t1.0への潰し加工】
型を製作して潰し加工を行うのが一般的ですが、数量が少なく納期も短かったため、切削で対応しました。
納期短縮だけでなく、精度も良く、コストダウンにも繋がりました。

【切削部の曲げ加工】
潰しを切削に置き換える工法転換では、イニシャルコストを抑えられる反面、切削後の板厚の誤差が曲げ工程へ影響します。0.01~0.02mm程度の誤差でも、角度や寸法がばらつきやすく、曲げの難易度が上がります。

【立ち上がりの短い曲げ】
板厚1.5mmに対し立ち上がりが3mmと低く、通常通り曲げようとすると、肉が足りないため型から滑り落ちてしまい、うまく曲がらず変形してしまいます。
当社ではこのような場合、予め肉を足して曲げた後にカットをする工法で変形を防いでいます。
今回は、3Dモデルのみでの製作依頼でした。
公差等のお打ち合わせは必要となりますが、図面がない製品でも部品の製作は可能です。
展開や加工プログラムを作成する際に、作業時間を比べると、3Dデータがある場合、ない場合と比べて早く作業が進みます。加工に着手できるまでの時間を短縮することができるだけでなく、製品によってはコストダウンにつながることもあります。
最近では、加工時に3Dデータを頂けるケースが増えてきています。当社では、様々な種類の3DCADを保有しておりますので、3Dデータファイルはほとんどの形式を読み込むことができます。ご依頼の際には、是非データのご用意をお願い致します。