板厚0.3mmの絞り加工、歪みの問題を解決し、垂直度φ0.05を実現
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材 質:
SUS304
板 厚:
0.3mm
サイズ:
φ30×15.3mm
精 度:
±0.05mm
個 数:
300個
納 期:
14日
ポイント
- 深さ15.3mm±0.05の絞り加工
- 先端の絞り加工
- 垂直度φ0.05
- 垂直度を出すための工夫
内容
今回の製品は、板厚0.3mmに対し、絞りの深さが15.3mmあります。絞り加工では、工程を少なくすると亀裂やシワがよりやすく、シワが原因で切れてしまうこともあります。
一気に絞ると亀裂が入り、高く絞り過ぎると肉が余り、先端が図面通りの形状になりません。
その為工程を数回に分け、社内で製作した専用の絞り型を4セット使用して絞っています。
切れる前兆を見極め、次の絞りの段階で浅めに絞るなど、切れない様に深さや速度を調整して加工しました。
先端にも絞りがあり、こちらも同様に専用の型を用いて加工しています。
フランジ部分には、垂直度φ0.05の幾何公差があり、中央部の深い筒を絞ると、フランジに歪みが発生してしまいます。歪みの組織を分断するための溝加工を行い、要求公差を実現しました。

平坦度を出すために型の径を変え、徐々に平らにしています。 最後に外径を抜いて完成させました。
今回の絞り加工は、フランジ部の平坦度を出す事が最重要ポイントでした。図面通りに絞っていくと、板厚が薄いため歪みが発生し、垂直度が確保できません。「なんとかして平坦度を出してほしい」というお客様からの強いご要望があり、図面にはない溝を入れて歪みを取る方法を提案させていただきました。
溝の入れ方、本数等、何度かトライをして、歪みの応力を上手く分散出来た事で、円筒部との垂直度Φ0.05以内を確保する事が出来ました。
今回は要求公差を満たすために溝加工のご提案をさせていただきましたが、他にも目的に応じて様々な加工方法のご提案もしております。