微細樹脂部品、チャッキングできない形状の高精度加工
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材 質:
PEEK CF30
サイズ:
φ2×15
精 度:
±0.02
個 数:
30個
納 期:
10日
ポイント
- 樹脂の高精度微細加工
- チャッキングしにくい複雑形状
- 複合旋盤と高精度マシニングセンターの併用
- 治具を活用し30個を10日で製作
内容
今回ご紹介するのは材質が樹脂(PEEK CF30)の微細加工品です。
樹脂(PEEK)は原則としてファイバーレーザー加工、塑性加工、ワイヤー放電加工が適用できないため、加工方法の選択肢は切削加工のみとなります。単純な穴やタップの加工だけであれば問題ありませんが、形状が複雑になると、この制約により製作の難易度が高まります。
全長が約15mm、最も太い部分でもφ2、薄い部分は0.4mmしかありません。そのような微細部品の全体にわたり、厳しい寸法公差、幾何公差が設定されています。
複合旋盤を中心に加工を進めましたが、それだけでは完結できない形状でした。微細加工に特化した高精度マシニングセンターを併用することで、全ての条件を満足させることができました。

詳細はお見せできませんが、片側の端は中空の複雑形状です。各種公差が厳しく、多面同時加工が必須となります。

反対側は先端が尖った形状でした。寸法公差だけでなく、角度、Rの大きさまで厳密に指定されています。
今回の事例における最大のポイントは「どう掴むか」でした。樹脂は金属に比べて負荷がかけられないため、作業工程を細かく分ける必要があります。さらに今回手掛けた部品は上下左右全方向に加工要素があり、工程が進むにつれて掴むことが難しくなっていきます。これらの問題を解決するため、加工順序を含めた固定治具の設計にはかなり気を使いました。治具の効果もあり、高精度な部品30個を10日で完成させることができました。
当社では樹脂の微細加工品も多数実績があります。お困りの案件がございましたら、是非ご連絡ください。