アルミの薄肉加工、同時加工できない箇所の同軸度0.02
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材 質:
A5056
サイズ:
φ90×150
精 度:
±0.02
個 数:
1個
納 期:
12日
ポイント
- 切り欠きを含んだ内径H7加工
- 同時に加工できない箇所に同軸度0.02
- 回転を安定させる特殊な芯金
- ピッチの細かい特殊ネジ加工
内容
今回は複合旋盤で加工した製品事例をご紹介いたします。
内径にはH7の公差要求がありました。通常であればH7公差は問題なく加工を進めることができますが、今回は切り欠きがあり、変形しやすく精度確保が難しい形状でした。そのため、加工の順番が重要なポイントとなります。
また、同時加工できない箇所に同軸度0.02の指示がありました。一度チャッキングしなおす必要があるため、同軸度は出にくくなります。さらに薄いうえに製品が長く、振れが大きくなりやすい条件が揃っていました。そこで当社では、幾何公差を満足させるために特殊な治具を製作し対応しています。
全体的に板厚が薄いため芯金の製作は必須となります。今回の製品は、中心部に空洞が多いために回転が安定せず、部分的な芯金だけでは不十分と判断し、内径全てをカバーできる芯金を採用しました。

内径H7公差部に切り欠きがあります。精度を確保するために先に切り欠きを入れ、寸法が動いた状態で仕上げる工程で加工しています。

肉厚が薄いことに加え長さが150㎜あるため、芯金だけでは振れが大きくなる心配がありました。当社では、振れを抑えるために特殊な治具を製作し同軸度0.02をクリアしています。

先端はピッチが非常に細かい特殊なネジとなっております。今回はお客様より嵌合部品をお借りして製作しました。特殊なネジでも、嵌合部品との合わせ加工が可能です。
今回の製品は、全体的に肉厚が薄く公差も厳しかったため、複数の治具を製作して対応しました。日々培ってきたノウハウを駆使して治具を製作することにより、製品に最適な方法での加工が可能です。また、この案件は表面処理を行ってお客様に納品しています。
当社では表面処理まで一貫して対応ができるため、加工内容に応じて発注先を分ける必要がありません。お困りの際には是非ご相談ください。