ゴマ粒大の微細加工(公差±0.005)を治具・工程の工夫と最新設備で実現
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材 質:
SUS303
サイズ:
3.0×2.4×1.8mm
精 度:
±0.005
個 数:
2個
納 期:
7日
ポイント
- ゴマ粒大の微細加工
- 不規則な方向からのミル加工
- 室温23℃±0.5の恒温室で寸法公差±0.005の加工
内容
ゴマ粒大のボビンに似た形状の微細な製品です。
この製品は板厚1.6mmに対し1.0mmの溝が内側全周に入っているので、残り代が両側0.3mmになります。さらに0.3mmに対し全周にC0.25面取りがついており、掴みしろが無いという形状で、要求公差は±0.005でした。
また、1.0mmの溝の間にあるΦ0.35の穴は-5度と30度の2方向空いており、こちらも高精度な寸法要求がありました。
今回は、掴み代が無くても高精度に加工できるよう、専用の治具を考案・製作し、高精度マシニングセンターで加工しました。
Φ0.35の穴は小径で、斜めにあけるには刃物の曲がりや折損にも注意が必要でしたが、食いつきや条件に気を配り、慎重に作業することで要求精度を満たした製品に仕上げることができました。

Φ0.6H7が2ヶ所空いています。

斜めからのΦ0.35の穴と外周C0.25です。
このような微細で高精度な品物は、少しの寸法誤差やセットの誤差で大きな寸法の狂いが出てしまいます。
掴み代が無いうえに、斜めからの小径穴加工の難易度が高い為、治具の重要性はかなり高いと判断しました。その結果、ひとつの治具で複数の工程に対応し、高精度な加工ができました。更に段取りも簡単になることで、時間短縮もはかる事ができました。
また、当社では高精度マシニングセンターを恒温室(23℃±0.5)に設置することにより、ワークや機械の温度変化を意識し、安定した加工を実現しています。
微細な製品や難しい形状の製品の加工について、「満足した公差が出ない」「望む形状にならない」等お困りでしたら、ぜひご相談ください。