プレス部品を機械加工にて製作、めっき後公差を考慮しながらの加工

材 質:
SS400
サイズ:
Φ90×50.2mm
精 度:
+0.010~+0.030(めっき後公差)
個 数:
5個
納 期:
7日
ポイント
- プレス部品を機械加工で製作
- めっき後公差が厳しい
- 3次元加工
内容
プレスでの加工依頼でしたが、型製作のリードタイムが納期に対応できないうえに、コストの問題もあり、機械加工での対応をお客様に提案し、承認を得ての製作となりました。
こちらの製品は複合旋盤で丸棒から削り出しています。
削っていくと肉厚が薄くなるため変形してしまう可能性が高く、順番を考えながら加工をしていきました。さらに、肉厚が薄くなれば、チャッキングの時に変形してしまう恐れもでてきます。
弊社では専用治具を社内で製作して加工しました。
正面の奥に深さ4.3mm、背面に11.3mmの溝があります。肉厚が薄い物を正面から削ると、刃物が振れて表面が粗くなってしまう為、刃物の調整をする等の工夫をして仕上げています。
今回の製品は、公差が厳しく、めっき後の公差の指示でした。加工の段階でめっき厚分の公差を考えながら寸法を出さなければなりません。
めっき加工をお願いしている協力工場と打ち合わせをしながら、寸法の調整をし、公差内に入るように計算して加工を施しました。
SS材は仕上げ時に、刃物が摩耗しやすく、削るたびに摩耗してしまいます。公差に加えて刃物の摩耗分も考えながら寸法を補正する事により、要求精度を満たす製品を製作することが出来ました。
めっき後は、公差内に入っているかを1つ1つ厳しく検査したうえでお客様にお届けし、ご満足頂けました。

内径部にはめっき後に、ミクロン単位の公差や幾何公差がありました。
最初のお打合せで、お客様はプレスでの製作を希望されており、めっき後の仕上り寸法公差が厳しかったため、1週間での製作は厳しい状況でした。
納期最優先という事もあり、機械加工での製作をご提案し、お客様より承認を頂いた後、製作に取り掛かり納期どおりに納品する事が出来ました。
この製品は現在、量産品として製造されております。
今回の機械加工でのご対応がきっかけとなり、お客様と当社との間で、設計~試作の体制が確立されました。
その後も、このシリーズの製品の試作は、当社で機械加工により製作させていただいており、何件もの量産品に結び付いています。