精密曲げ型製作、焼入材SKD11(HRC62相当)をミル加工
工程間合わせ段差も1μm以下に
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材 質:
SKD11(焼有)
サイズ:
12×45×45mm
精 度:
±0.003
ポイント
- 社内で焼入れ型考案・加工
- ワイヤー放電加工機と高精度マシニングセンターで加工の効率化
- HRC62相当を切削
- ワイヤーとマシニングの合わせ精度を±1μm以下に仕上げ
内容
精密な曲げ加工に使用する型の加工事例です。
何度使用しても曲げ精度を落とさない型にする為、焼きを入れてHRC62相当まで硬度を高めます。
焼入れ前に形状を仕上げてしまうと、熱で変形してしまい精度が悪くなりますので、焼入れ後に加工する事により高精度に仕上げました。
焼入れ工程も社内で行い、研磨、ワイヤー放電加工機での切断後、細かい部分とワイヤーでは加工できない箇所を高精度マシニングセンターで加工しました。
硬い材料を切削加工で仕上げるには、刃物の摩耗が激しく、精度を出すのも難しいので時間がかかります。ワイヤー放電加工機の使用と、ミル工程で何種類もの刃物を使い分けることにより、時間短縮を図りました。
それに伴い注意する点は工程同士の寸法合わせで、高精度に合わせないと加工面に段差ができてしまいます。また、マシニングセンターにてエンドミルを交換した際にも段差ができてしまいます。
これでは型を使用した際、製品に影響を与えてしまい不具合となります。
慎重に、かつ計算された加工により、手触り滑らかな±1μm以下に抑えることができ、精密な曲げを実現しました。
ワイヤー放電加工機からマシニングセンターに工程をまたぎましたが、段差無く加工する事ができました。
この精度を実現するには、温度管理の行き届いた恒温室と、機械のノビを理解したプログラムが重要です。
こうした技術は金型だけではなく、高精度な製品へのノウハウにもなっています。
曲げ製品や切削部品等、精度や形状でお困りの際は、是非ご相談ください。