SUS420J2のφ1.8のシャフトへの追加工を高精度・短納期対応

材 質:
SUS420J2
サイズ:
φ1.8×45mm
精 度:
±0.035
個 数:
200個
納 期:
7日
ポイント
- 200本を短納期・追加工
- 高精度加工
- 加工抵抗を減らす工夫
内容
今回は他社が製作した製品の追加工を行った事例です。
形状(丸棒状)から旋盤加工が適しているかと思われましたが、製品が細くて長さもあり、旋盤ではRやテーパーなど(下図参照)の加工が困難だという点、また製品の下部にツバがついている事からチャッキングが困難であった点から高精度マシニングセンターで加工を行うことにしました。
まず、クランプする為に治具を作成しました。治具にクランプをし、原点出しを高精度タッチセンサで毎回行い精度を高めました。
加工方法は、外径をラジアスエンドミルで行い、次に先端部120°(下図参照)をR0.1のボールエンドミルにて加工しました。先端の径はφ1.04と小さく、切り込みを減らし抵抗を抑える工夫をしました。また、工具径を小さくすることも、抵抗を抑える要因となっています。

ワークの先端部 テーパーと先端の切り込みの様子
設計者から直接『大特急でお願いしたい案件があるので、今すぐにでも来て!!』と連絡があり、その日のうちにお打合せを実施致しました。納期的に7日間後の納品でしたから実質上の作業時間は5日分しかありませんでした。
営業的にNC旋盤にての追加工で対応可能と判断し持ち帰りましたが、旋盤の担当者から旋盤では加工出来ない部分があり不可能と言われ、顔面蒼白となってしまいました。
その時にピンチを救ってくれたのが弊社の秘密兵器の1台でもあります高精度マシニングセンタでした。 治具を製作すれば加工可能との判断をして頂けたので、お客様には正式に受注回答を致しました。
加工内容には高精度な幾何公差があり、慎重に原点を微調整しながら加工していました。
Φ1.8という細いシャフトへの追加工をマシニングセンターでやり遂げてしまうという不思議な感じと、高精度マシニングセンターを使いこなしている担当者の想像力及び技術力に驚嘆致しました。
追加工に限らず、加工でお困りの方は、ぜひ西野精器製作所にご相談ください。