渦巻き形状のワイヤー放電加工、切断方法の工夫で公差±0.05mmを実現
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材 質:
C1100-1/4H
板 厚:
1.0mm
サイズ:
55×44×10mm
精 度:
±0.05
個 数:
110個
納 期:
7日
ポイント
- 通常の経路では加工できない渦巻形状
- 抜けカスが加工を妨げないように分割して加工
- 押さえ代を考慮した加工順番の工夫
内容
渦巻状の製品の切断のご依頼を頂きました。
材質がC1100(タフピッチ銅)なのでCO2レーザーでは切断不可能なため、ワイヤー放電加工機で加工しました。
一見簡単そうに見えますが、板厚が1.0mm、幅1.35mmと薄く幅が狭いため、一度で切断しようとすると、材料の重さで製品と抜けカスが垂れ下がってしまいます。垂れ下がった抜けカスがワイヤー線に触れれば、加工に支障を来します。
垂れ下がった抜けカスが加工中に水中で揺れてしまうと、抜けカスが加工中のワイヤー線に触れてしまい、それが原因で寸法がバラついてしまいます。そこで抜けカスをなるべく短くするために、渦巻の中心から一周ずつに分割して切断する方法をとりました。
外側から切断すると、中心付近を押さえることができなくなってしまうため、内側から切断し、より安定した加工ができるように工夫しています。一度で全て切断するより時間はかかりますが、抜けカスの問題を解決し、図面通りの寸法、精度を出すことが出来ました。

製品と抜けカスの図
今回は、ご依頼元のお客様が加工をされた際にも、同じように抜けカスが垂れ下がる問題で加工ができなかったという事で、当社にご相談をいただきました。
今回の製品は、加工中の問題の解決のために加工者が打ち合わせをし、分割して切断するという方法を導き出し、形状・寸法を実現することができました。
当社には、難形状の加工を対応している、高い技術をもった技術者が常在しておりますので、加工が難しい製品や何度試してみても加工を失敗してしまう製品など、加工の際にお困りのことがございましたらお気軽にご相談ください。