ステンレスバネ材の難曲げ加工、逃げを考慮した型でハンドメイド
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材 質:
SUS304CSP-1/2H
板 厚:
0.3mm
サイズ:
9×12×15mm
精 度:
±0.05
個 数:
35個
納 期:
14日
ポイント
- バネ材の難曲げ
- 曲げ順の工夫
- 逃がしを考慮した型設計
- 社内製作型15セット使用
内容
バネ材は、一般的なステンレスよりもスプリングバック量が多く、曲げ加工の難易度が高い材料です。
今回の製品の複雑な丸め曲げ箇所は、特にスプリングバックの影響が大きく、Rの精度や寸法を出すのが難しい形状でした。
戻る量を計算しながら曲げ、最後に1個ずつ丁寧に手直しで仕上げています。
両サイドには角穴があいており、切欠きと曲げ位置から近く変形しやすいため、こちらも事前に変形を考慮したブランク展開をして加工しました。
最初にU字曲げの根元を90°に曲げています。
この90°曲げが、その他の曲げに干渉して型が入らないため、その分の逃がしを考慮した型を設計しました。
曲げに使用した型は計15セットで、全て社内で設計し、製作しています。

展開図を見ると、U字曲げと丸め曲げが非常に近いことがわかります。

①部の根元を先に曲げてから、②部を丸めています。

完成形状の現物です。
この製品は工程数が多いばかりではなく、形状と材質によって、加工難易度が非常に高いものでした。
事前に曲げ順を決めるのはもちろんのこと、この工程の金型はどんな形状にするべきかなど、綿密な打ち合わせを行った後に加工に入りました。
今回の製品のように、複雑な形状で曲げ順や金型に工夫が必要な製品も、当社では数多く扱っております。
曲げ加工を熟知した作業者と設計者によって、製品に応じた加工方法・金型の設計など、柔軟な対応が可能になっています。