難削材SUS630-H900に精密穴加工と文字の切削
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材 質:
SUS630-H900
サイズ:
30×20×4.0mm
精 度:
±0.003
個 数:
1個
ポイント
- 析出硬化材SUS630-H900への加工
- Φ0.21深さ4mm貫通穴あけ
- M1ネジ切り
- 微細な文字彫刻
内容
今回は、SUS630を析出硬化熱処理(時効硬化熱処理)した材料の加工事例です。
SUS630は析出硬化処理を施す事により、高強度と高硬度を得る事ができます。硬さはHRC42ほどで、工具磨耗の激しい材料です。
従来は、切削加工後に焼入れをしていましたが、短納期、高精度に力を入れる為、処理後の切削加工をしています。
はじめに、平面研磨機にて平面度・面粗度を出します。
穴あけはΦ0.21の穴を50ヶ所で、小径用に考えられたステップのプログラムにて4mmの材料を貫通させています。
M1ネジ切りは5ヶ所加工を施しました。今回は、ヘリカル切削のネジ切りで深さは2.5mmです。ヘリカル切削をする事により、切り込みも細かく設定ができます。
また、同期タップで加工するのとは違い、工具を変えても同じネジが切れる為、荒切削用と仕上げ切削用の工具二本を使用した安定加工が可能です。
微細な文字の彫刻はCAMを利用し、Φ0.3の小径ボールエンドミルにて切削しました。

Φ0.21の貫通穴

ヘリカル加工でのキレイなネジ山、微細な文字
今回は、展示会用サンプルとして製作しました。
営業からの要望で穴加工をメインに加工しましたが、エンドミル加工をメインとしたSUS630-H900の製品も多数承っています。
現在では部品の小型化、高精度化が進んでおり、要求通りの製品をクリアするには、熱処理材への加工は重要な技術だと考えており、当社としては、最新の設備や知識で今後ともこの分野に力を入れていきたいと思っております。
精密で微細な部品は、ぜひ西野精器製作所にご相談ください。