SUS304(ヘアライン仕上げ)の外観パネル加工、ファーストトライで完成

SUS304(ヘアライン仕上げ)の外観パネル加工、ファーストトライで完成
  • 材 質:

    SUS304(ヘアライン)

  • 板 厚:

    1.0mm

  • サイズ:

    540×210×45mm

  • 精 度:

    ±0.2

  • 個 数:

    2個

  • 納 期:

    7日

ポイント

  • キズ不可指定のヘアライン材を使用した外観製品の曲げ
  • プレスブレーキによる保護シート付材料の曲げ
  • 製品両端にある幅10mmの小さい曲げの変形防止対策
  • 板厚1.0mmに対し曲げ寸法高さ2.8mmの段曲げ
  • 普通公差「精級」の曲げ寸法公差の精度確保

内容

今回ご紹介する製品は材質SUS304(ヘアライン仕上げ) 板厚1.0mmの外観用パネルの製品です。

1つ目のポイントは、キズ不可指定のヘアライン材を使用した外観製品の曲げ加工です。 この製品の材質はSUS304ですが、表面が「ヘアライン仕上げ」の指定になっています。
「ヘアライン仕上げ」とは、その言葉の通り、人の髪の毛の様な線状の模様が施された仕上げのことで、外観用に使われることが多く、取り扱いが大変な材料です。
今回の製品はプレスブレーキによる曲げがあり、素材のまま加工しますと、金型による傷が発生してしまいます。キズを軽減する方法は色々とありますが、この製品に関しては表面に対し「キズ不可」という指示があるため、保護シートを張って加工を施しています。

2つ目のポイントは、プレスブレーキによる保護シート付き材料の曲げ加工です。
保護シートを張るのは表面だけで、裏面には張りません。そのため、プレスブレーキによる曲げの際に、表と裏とでの負荷加重が異なってきますので、調整が必要になります。更に、曲げ角度が90°だけではなく130°、150°、160°と数種類あり、精度を確保するのは非常に困難です。
当社ではこの問題を、角度センサー付の新型プレスブレーキと熟練の技を用いて解消し、ファーストトライで完成させています。

3つ目のポイントは、製品両端にある幅10mmの小さい曲げの変形防止です。通常プレスブレーキで製品を曲げる場合、作業者が製品を持ち、プレスブレーキの動きに伴って、変形していく製品に手を追随させていきます。この幅10mmの曲げは、製品全体の大きさに比べ小さいため、プレスブレーキの動きに対して正確に作業者が追随していかないと、製品の自重で変形する恐れがあります。
この曲げは特に作業者の技量を問われる加工といえます。

4つ目のポイントは、【CAD図①】に示すように、板厚1.0mmに対して、曲げ寸法高さが板厚を含めて2.8mmのZ曲げです。

このZ曲げはプレスブレーキで曲げることはできません。その理由は、プレスブレーキで曲げ加工を行う場合、【CAD図②】に示す通り、ダイ側のV幅は板厚の5倍程度の金型が必要になります。この製品のZ曲げの場合は、曲げから曲げの寸法が狭すぎるために、プレスブレーキでの加工はできません。 この様な曲げ寸法高さの低いZ曲げは、専用の金型を製作し、サーボプレスや油圧プレスを使ってプレス加工する方法が用いられます。
当社でもこの方法を用いて専用金型を自社製作し、プレスで成形加工をしています。

5つ目のポイントは、普通公差「精級」の曲げ寸法公差の精度確保です。
JISにて規定されている許容公差は「普通公差」といい、加工の精度によって、精級(f)、中級(m)、粗級(c)、極粗級(v)と許容差が定められています。
今回の製品は最上級の「精級」の指示があり、保護シートを張った状態での精度確保はレベルの高い曲げ加工です。

担当者のコメント

当社ではこれまでに様々な形状の板金プレス製品を取り扱ってきました。
マシニングセンターや複合旋盤を駆使し、社内で金型を製作しておりますので、加工できない板金プレス製品は無いと自負しております。今回の製品のように短納期のご注文で、専用の金型を使用しなくてはならない場合でも、問題なく対応可能です。また、材料においても、色々な種類の材料の加工を手掛けております。
今回ご注文を頂いた製品の素材はSUS304で、ヘアライン仕上げの処理が施されていました。他にもBA仕上げ、2B仕上げ、研磨仕上げ等の加工も承っております。材料の素材仕上げだけではなく、メッキ、塗装、アルマイト、バフ仕上げ、バレル仕上げ等の表面処理を含めた注文も承っておりますので、お気軽にご相談下さい。

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