SPC 板厚2.0mmプレス成形加工によるM3サラモミ加工、
工法転換により工数削減
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材 質:
SPC
板 厚:
2.0mm
サイズ:
53×27mm
精 度:
±0.1
個 数:
200個
納 期:
7日
ポイント
- レーザパンチ用プレス成形金型を自社製作
- 金型構造の工夫によるSPC板厚2.0mmのM3サラモミ成形加工
- 成形加工の周りにできる歪みを解消した仕上りの綺麗な製品
内容
一般的にサラモミ加工は切削で加工する場合が多いのですが、条件が揃えばプレス成形加工で加工することができます。その条件とは材料の性質のことで、成形限界を越えなければサラモミ加工が可能ということです。サラモミ加工の場合は冷間鍛造加工なので、金型工具を介して圧縮荷重を加え、形状を変化させることでサラモミ加工を完成させます。当社では以前からこの加工を行っていますが、以前の加工方法だとサラモミ加工の周りに波紋状の歪みが生じてしまい、機能を果たしても見た目はあまり良くありませんでした。
今回の製品は試作品としては数量が多いうえに、外観部品のためキズや歪みがNGとの指示がありました。
そこで新構造の金型を開発し試すことになりました。材料をうまく流すことができ、表面を歪みの無い状態で仕上げるためにはどうすれば良いかを考え設計を行いました。
当社は機械部門があり、今回の新金型も自社で製作したもので、設計が終った時点で直ぐに金型製作に取り掛かることができます。そのため短時間で成形テストを行うことができました。
何度かトライを繰り返しはしましたが、歪みがほとんど無く綺麗な仕上りの製品を完成させることができました。

レーザパンチで成形したM3サラモミ
一般的にサラモミの用途としてはサラネジのためのものが多く、表側から締め付ける場合がほとんどです。そのため表面側は外観面になる場合が多く、プレス成形での加工は困難でした。今回製作した新しい構造の金型は、歪みを極力少なくする構造になっており、外観部品のサラモミ加工にも使用可能です。
しかし、成形加工には限界があり、できるものとできないものがあります。当社ではアルミニウム、鉄、ステンレスの3種類を検証したところ、板厚1.5~2.0mmでM3とM4タップ用のサラモミであれば加工可能であることがわかりました。全ての製品にこの方法を用いられるわけではありませんが、条件が合い、製品の外観面として問題なければ、これからもこの方法を取り入れていきたいと思います。